建設現場で使われる「敷板」とは?
建設現場では、「敷板(しきいた)」が必要になることが多々あります。しかし、どこに敷くのか、何のために敷くのかによってその種類はさまざま。本記事では、建設現場でよく使われる敷板について解説します。また、そのなかから「プラスチック敷板」の具体的な用途まで紹介します。「敷板」ってどんなもの?という疑問解決の一助となれば幸いです。
敷板とは
敷板とは、地面の上・物の下に敷く板のことで、用途によりさまざまな種類があります。建設現場でよく使われる敷板の種類としては、足場用敷板、アウトリガー用敷板、コンパネ、ゴムマット、敷鉄板、プラスチック敷板があります。それぞれどういったものなのか、下記に解説していきます。
足場用敷板
高所作業のため足場を設置する際には、足場板、敷板、敷盤、敷角といった板が使われます。足場板は金属製または木製で、作業員が実際に乗って足掛かりとする板です。敷板は、足場がすべったり沈んで傾いたりしないように足場の下に敷く板のことです。2mから4mほどの長さがあり、複数の支柱を載せることができます。敷盤は、24cm×24cm以上の大きさで、支柱の土台となる板です。プラスチック製や鉄製のものがあります。敷盤と同じ用途で木製のものを敷角といいます。
アウトリガー用敷板
アウトリガーとは、クレーン付きトラックや高所作業車などに備わっている、車体から地面に向かって腕のように張り出す転倒防止装置のことです。アウトリガーの接地部分には非常に高い圧力がかかるため、その接地圧を小さくするためにアウトリガー用の敷板が必要になります。角型で厚みと強度があり、アウトリガーベースとも呼ばれます。
コンパネ
コンパネはコンクリート型枠用に使われる「コンクリートパネル」の略称です。ベニヤ板を重ね合わせたもので、安くて丈夫であり、ホームセンターなどで入手しやすいことからDIYにもよく使われるほか、地盤養生用の敷板として使われることもあります。ただ屋外の工事現場では割れたり水に濡れて腐ってしまったりするため不向きといえます。
ゴムマット
ゴムマットは地面を傷や汚れから保護する目的や、すべり止め、防音・防振のために使われるゴム製の 板です。材質は用途により天然ゴム製と合成ゴム製のものがあり、表面加工や厚み等もさまざまな種類があります。
関連記事: ゴムマットの用途と注意点
敷鉄板
敷鉄板は地盤養生に使われる大きな鉄の板で、工事現場に欠かせません。軟弱地盤に敷いて工事車両や重機をスムーズに走行させる、荷重を分散させる、路面を傷・汚れから保護するなどの目的で使用されます。大きさや厚みに種類があり、用途に合わせて選定します。鉄製なので1枚の重さが数百kgあり、運搬には重機が必要です。
関連記事: 敷鉄板の重さ・サイズまとめ
※写真手前は敷鉄板、奥はプラスチック敷板
プラスチック敷板
プラスチック敷板とは、プラスチック(樹脂)でできた敷板で、プラシキ、プラ敷板、樹脂敷板とも呼ばれています。1枚の重さは30kg前後と軽量です。荷重分散はできませんが、工事車両や重機をスムーズに走行させる、路面を傷・汚れから保護するといった目的で多く使用されています。敷鉄板と異なり運搬に重機が必要なく、人の手で運搬できるため、敷設・撤去の作業が安全かつ効率的に行えます。
関連ページ: 強化型プラスチック敷板®とは
プラスチック敷板の用途
上記のように、プラスチック敷板は工事車両や重機をスムーズに走行させる、路面を傷・汚れから保護するといった目的で使用されています。下記では、具体的な用途を写真とともに解説します。
現場入口
工事現場の入口は車両の出入りが激しく、路面がへこんだり汚れたりしやすいです。雨が降るとへこんだ部分には水たまりができ、地面が土であればぬかるんでしまいます。ぬかるむとタイヤがスタックする恐れもありますし、タイヤに泥汚れがたくさんついたまま周辺道路を走行することになります。プラスチック敷板を敷いておけば、路面を保護でき、タイヤの泥汚れ防止にもなります。また立体的なすべり止めのあるプラスチック敷板であれば、タイヤの泥落とし効果も期待できます。プラスチック敷板は工事現場だけでなく、ビニールハウスの入口にもよく使われています。
仮設道路
建設工事では、舗装されていない場所を工事車両が走行することも多いです。そのようなときはプラスチック敷板をタイヤの通る部分に合わせて2列で敷くことで簡単に仮設道路になり、車両がスムーズに走行できます。なお、仮設道路としての用途であれば、面で敷き詰めるよりも列で細長く敷くほうが使用する敷板の枚数を少なくでき、経費削減になります。
資材置場
建設工事で使う資材を一時的に現場に置いておきたいけれど、舗装されていない地面に直接置きたくない…ということがあると思います。そうした場合はプラスチック敷板を敷くことで資材置場にできます。
仮設駐車場
仮設工事やイベント時など、数日間・数か月間といった短期間だけ駐車場が必要になることもありますよね。舗装されていない土地で、使用後には使用前と同じ状態に戻さなければならない(原状回復する)場合は、コンクリート舗装することが難しいです。しかし舗装されていないと車が移動する際に小石が跳ねだり、雨が降ってぬかるんだり、雑草が生えてきたり…と駐車場として使うには不便な点が多いことも。そうした場合にも、プラスチック敷板を敷き詰めるのがおすすめです。小石の跳ねや雑草の成長も防止でき、雨が降っても車が走行しやすくなります。
関連記事: プラスチック敷板の導入事例
建設現場でよく使われる敷板と、プラスチック敷板の具体的な用途について解説しました。プラスチック敷板についてもっと知りたい方、ご不明な点がある方、お気軽にお問い合わせください。