【考察】沈む敷板は流されませんか?
水の比重(1.00)より比重が重いプラスチック敷板が敷設されている現場に水が流れてきた際、敷板が流れないで留まることができるか検証をしてみました。結果として、人がゆっくり歩く速度の水流でも敷板は流されることが次の数値から想定されます。
数値比較について
■水に沈むプラスチック敷板の仕様をつぎと仮定します。
サイズ: 1220 x 2440mm(=2.98m2)
板厚: 10mm(=0.0298m3)
質量: 40kg(=392N)
比重: 1.22
■地面との摩擦抵抗力
冠水時には地盤が泥状と仮定します。
摩擦係数μ: 0.2〜0.3(泥地・ぬかるみ)
摩擦抵抗力: 392N x 0.3 = 118N
■流水時の流体抗力
簡易評価式:
• 水の密度ρ: 1000 kg/m³
• 抗力係数 Cd: 1.2
• 投影面積 A: 2.98 m²
• 流速 v: 1 m/s(=3.6km/h:人がゆっくり歩く速度を仮定)
計算結果はFd = 1,800N です。1 m/s は比較的弱い洪水の流速とされています。
数値比較による評価
地面との摩擦抵抗力118N に対して、流水時の流体抗力1,800N は15 倍の力量で上回ります。このため地面に敷設された敷板は、人がゆっくり歩く速度の流水を受けると、その場に留まらず流れる可能性が高いと評価されます。
■流れ始めた敷板の挙動
この条件の敷板(比重1.22)は、比重が重いため完全に水面を安定して流れるのではなく、沈む力と揚力が交錯しながら、水中を半浮遊状態で流れることが考えられます。
地面との接触喪失
初期には敷板が地面を引きずりながら移動し、一旦地面から離れると、地面との摩擦抵抗が0 になり、流体中の板として挙動すると考えられます。
浮力+揚力
流体中の板は下面と上面で流速差が生じ、下面の負圧により揚力が発生し、板が傾き水流が板の下面に入り込んだ場合には浮力+揚力の合成力が重量を一時的に上回ることがあります。
乱流・跳水
災害時の水流は層流ではなく、渦、逆流、波状流が発生します。これにより敷板が断続的に持ち上げられる現象が起こります。
まとめ
水の比重(1.00)より比重が重いプラスチック敷板であっても、人がゆっくり歩く速度の水流を受けると流されるとの評価が合理的です。さらに、比重が重いため水中を上下動しながら半浮遊状態で移動すると考えられます。災害時には、水中を流れる敷板が水面から目視できない状態を考慮し、事前に敷板を現場から撤去することが必要と判断されます。

























